
- ショートのエントリーポイントが分かる。
- 決済ポイントが分かる。
- ショート戦略は、あくまで”ヘッジ”。
- 両建てを行う。
BBです。
この記事は、
「トライオートETFで、ナスダック100トリプル(TQQQ)のショート戦略ついて知りたい人」
向けに解説しています。
力強く上昇するTQQQに対して、ショート戦略は適さないとトライオートETFの界隈では言われています。
逆にいえば、ロング一択のため、暴落時は、非常にストレスとなります。
数年に一度発生する暴落時に、ショートポジションを取り、リスク回避できる戦略を考えました。
ナスダック100トリプル(TQQQ)とは
ナスダック100トリプル(TQQQ)の基礎情報です。
分かる方は読み飛ばして下さい。
ナスダック100トリプルとは、
ナスダック100指数に連動し3倍の値動きをするレバレッジ型のETFです。
正式名称は、「プロシェアーズウルトラプロQQQ」と言います。
ウルトラプロというのは、プロ投資家向きの商品しかつけられない呼称です。
要するに、3倍レバレッジがかかったプロ仕様の金融商品です。
ナスダック100トリプルの上位10銘柄
ティッカー | 名称 | ファンド割合(%) |
---|---|---|
AAPL | アップル | 7.69 |
MSFT | マイクロソフト | 6.43 |
AMZN | アマゾン・ドットコム | 5.82 |
TSLA | テスラ | 3.22 |
GOOG | アルファベット | 2.44 |
FB | フェイスブック | 2.26 |
GOOGL | アルファベット | 2.21 |
NVDA | エヌディア | 1.95 |
PYPL | ペイパル・フォールディングス | 1.81 |
INTC | インテル | 1.34 |
ナスダック100トリプルは、
ファンド割合が異なるもののナスダック100と同じ構成銘柄となっております。
GAFAMの割合が低いのは、時価総額が低い銘柄の割合を上げて、
よりアクティブな値動きを提供しているからだと言われています。
ですので、ナスダック100トリプルは、
時価総額低い銘柄のファンド割合が変わることがよくあります。
ナスダック100トリプルは、GAFAMの動きには左右されるが、
連動元のナスダックほどではないということです。
それでも3倍動きますが・・。
ナスダック100とナスダック100トリプルの比較

チャートのオレンジがナスダック100トリプル、ブルーがナスダック100です。
ナスダック100が横ばいにみえるほど、ナスダック100トリプルの上昇率と下落率は凄まじいです。
これがレバレッジ3倍の威力ですね。
以前、ショートを検討した記事です。
ショートのリスクが分かります⬇
戦略
ストラテジーの取得
エントリー、決済、損切り等のタイミングをブログで説明するのは難しいため、TradingViewにて表現しました。
こちらから、スクリプトを取得してください⬇
TradingViewのアカウントがない方はこちら⬇
「お気に入りインジケーターに追加」後、アプリを一度閉じる。
アプリを再起動したら、「インジケーター」から使用できます。

ストラテジー名:TriautoETF(TQQQ) Short Strategy B1(略称:TSSB1)
エントリー:Short
決済:Close
紫線:ショートをするおおよそのライン
コンセプト
ショートをやって”儲ける”というわけではなく、あくまで”ヘッジ(リスク回避)”に重点を置いた戦略です。
トライオートETFは、本来テクニカル分析しなくてもできるように設計された自動売買です。
今回の戦略は、インジケーターを使用して手動で約定をするため、自動売買ではありません。
少し勇気のいるやり方のため、中級者以上の人向けです。
資金管理
資金管理が一番大切です。
無茶な設定をしている場合は、いくらショートをしても意味がないです。
まずは、ロングの資金管理をしましょう。
トライオートETFのロスカットレートを簡単に算出できるエクセルです(スマホ版あり)⬇
基準
今回は、移動平均線を用いて売買タイミングを決定します。
TQQQの戦略ですが、市場で意識されるのは、あくまでQQQ(ナスダック100)の移動平均線です。
また、TQQQ(レバレッジETF)は逓減するため、意識される移動平均線と乖離が発生します。
そのため、QQQの移動平均線の状況で、TQQQの売買ポイントを決定します。
QQQ(ナスダック100)の移動平均線
原指標であるTOPIX(東証株価指数)が上昇・下落を繰り返す局面を考えます。
このときも、「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」の日々の変動率は、原指標の日々の変動率の2倍を達成しています。
しかしながら、TOPIX(東証株価指数)は上昇・下落を繰り返しながらも3日目に基準日と同じ水準(100→100)に戻っているのに対し、「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」は複利効果が働くため、100→98.6と基準日と同じ水準に回復していません。
このように、相場の方向感が定まらず、原指標が上昇や下落を相互に繰り返した場合、レバレッジ型指標は複利効果によって、原指標と比較してパフォーマンスが逓減して行くという特性がありますので留意が必要です。

エントリータイミング
ナスダックが下落相場になりやすいのは、200日移動平均線(200MA)を割ったタイミングです。
過去の傾向からはっきり分かります⬇

基本的な考え方は・・
- 200MAより上に価格がある場合は、ロングのみ。
- 200MAを下回った段階で、ショートを行う。
それを踏まえて、バックテストを繰り返し行った結果・・
出来高移動平均線(193日)を下抜けたタイミング
「193日」は、バックテストした結果で最も成績が良かったからです(200日より良かった)。
単純移動平均線、指数平滑移動平均線よりも出来高移動平均線の方が、成績が良かったです。
出来高移動平均線は過去数日の出来高の平均を折れ線グラフ化したもので、出来高は株価に先行すると言われておりこれを株価予測に利用しようと考え出されたものです。
出来高分析は、株価分析がアプローチできない領域をカバーし分析の精度を高めることができます。
出来高分析はその名の通りで、出来高を見ることで、相場の地合い、勢いを確認することができるのですが、その中でも有名な指標の一つが出来高移動平均線です。
決済タイミング
決済のタイミングについて、バックテストした結果、最も成績がよかったのは・・
指数平滑移動平均線(9日)が、指数平滑移動平均線(14日)を上抜けたタイミング
ショートポジションを持った後に、株価が急回復した場合は、素早く損切りするようにも設定しています。
ショートの数量(ポジション量)
ショートしたタイミングで保有していたロングのポジション量を、ショートで両建てします。
ショートエントリー時のロングのポジション量
トライオートETFでは、両建ての場合、売建玉と買建玉を比較し多い方の証拠金を必要とします。
下落時にショートをするため、証拠金は買建玉が基本的に採用されます。
両建てしているため、急落してもかなり楽になるはずです。

トライオートETFの両建て時の証拠金額は、MAX方式です。
- 必要証拠金額
同一銘柄の売建玉と買建玉の証拠金額を比較し、金額の多い方のみ証拠金として必要となります。 - 発注証拠金額
新規注文が約定した場合の同一銘柄の必要証拠金額を比較し、現在の必要証拠金額を超過する差額分が発注証拠金額になります。

パフォーマンス
2015年のチャイナショック(-35%)、2020年のコロナショック(-52%)などの大暴落において、大底前にエントリーが表示されています。
TradingViewのエントリー確認後、トライオートETFでショートポジションを持てばOKです。
大底が終わった後に決済(Close)されているのも分かると思います。
あくまで大底で利益確定するのが目的ではなく、ヘッジ(リスク回避)です。


リスク
このストラテジーにも、もちろんリスクはあります。
レンジ相場に弱い
200MA付近をレンジになって価格が推移する場合は、「エントリー → 損切り」が繰り返し発生します。
その場合は、金利、手数料を含めて損失の方が大きくなります。

急回復に弱い
200MAを下抜けしたが、急回復した場合は、損失が発生しやすくなります。

金利が高い
長期間ショートポジションを保有すると、ガンガン利益が削られていきます。
(それでも暴落のスピードに比べたら、大したことありません)
ショートは、ロングの約8倍マイナス金利がかかります(毎月変動します)。

まとめ
トライオートETFで、ほとんどないショート戦略について解説しました。
多少のリスクを含めてもTQQQというハイリスク銘柄を扱う以上は、ショートを行う意義はかなりあると考えています。
数年間にわたり、右肩上がりを続けるナスダックですが、一時的な暴落により、その利益をすべて失う方はかなりいます。
また、ロスカットレート0$にしても日々含み損が増えていく状況は、かなりストレスとなるはずです。
CFDをやる以上は、ロング・ショート両方を組み合わせることが最適だと考えています。
ロングのみだと現物で良さそうな気がしますし・・。
最後となりますが、皆様の投資戦略と一助となれば幸いです。
ストラテジーの使用は、自己責任でお願いいたします。
以上です。
コメント