トライオートETF 金融株トリプル(FAS)バックテストによる最適な利確幅

  • 過去11年間分をバックテスト。
  • 当時の価格に補正している。
  • 現物のFASの方が利益の期待値が高い。
  • 11年間のバックテストによる最適な利確幅は、2.0$。
  • 6年間のバックテストによる最適な利確幅は、7.0$。
  • 利確幅10$以上は現物のレバレッジETFの購入を検討するのが望ましい。
  • 金融株トリプルのみでセミリタイアすることは、難しい。
トライオートETF

BBです。

この記事は、
トライオートETFで、金融株トリプル(FAS)の最適な利確幅を知りたい人
向けに解説しています。

「長期的な運用」と「当時の価格」を考慮した最適な利確幅をバックテストにより分析しました。
結果が出たとしても、利確幅は永遠のテーマだと思っています。
1つの考え方として参考となれば幸いです。

目的

トライオートETFでのナスダック100トリプル(TQQQ)の自動売買が2021年7月末で終了しました。現在は、裁量取引のみ注文ができます。

新規でトライオートETFをやる方は、新規ビルダー(自動売買)でのナスダック100トリプルはできません。
代替としては、ボラティリティの高さから金融株トリプル選択が考えられます。
2021年11月に現物のナスダック100トリプルの購入が日本でできなくなったため、トライオートETFにおいてもサービスが終了するリスクがあります。
リスクヘッジとして、金融株トリプルの設定を探求していくことは重要だと考えられます。

以前のアンケート調査の結果では⬇

7割以上の方が金融株トリプルを現状やっていないことが分かりました。
そのため、現状のブログをリサーチしたところ、金融株トリプルで利確幅の検証を行った事例はとても少なかったです。

上記より、金融株トリプルにおいても最適な利確幅を追求することは、重要であると考え検証を行いました。

目的
  • これからトライオートETFを行う方のため
  • ナスダック100トリプルのサービスが終了した場合のリスクヘッジのため
  • 金融株トリプルの利確幅検証を行ったブログが少ないため

金融株トリプル(FAS)とは

金融株トリプル(FAS)の基礎情報です。
分かる方は読み飛ばして下さい。

金融株トリプル(FAS)とは、
米国大型金融株に連動し3倍の値動きをするレバレッジ型のETFです。
正式名称は、「Direxionデイリー米国株ブル3倍ETF」と言います。
トライオートETFの中でも最も値動き(ボラティリティ)の激しい銘柄と公式の方でも説明されています。

金融株トリプルの上位10銘柄

ティッカー名称ファンド割合(%)
DGCXXDreyfus Government Cash Mana4.91
BRK/Bバークシャー・ハサウェイ2.52
DIRXXドレファス・ストジャリー・セキュリティーズ2.08
FTIXXゴールドマン・サックス・ファイナンシャル・スクエアフ2.06
JPMJPモルガン1.96
BACバンク・オブ・アメリカ1.46
FGTXXゴールドマン・サックス・ファイナンシャル・スクエアフ0.99
WFCウェルズ・ファーゴ0.98
SCHWチャールズ・シャワブ0.61
Cシティグループ0.56
2022年1月時点 Bloomberg

上位銘柄には、投資の神といわれるウォーレン・バフェット氏が率いる「バークシャー・ハサウェイ」がいます。
他には、「ゴールドマン・サックス」や「バンク・オブ・アメリカ」等は、投資をしない方でも聞いたことがある銘柄だと思います。
金融株トリプルは、アメリカの主要金融セクターをすべて含んだ銘柄といえるでしょう。

金融株と金融株トリプルの比較

金融株と金融株トリプルの比較

チャートのオレンジ金融株トリプルブルー金融株です。
金融株が横ばいと思われるぐらい金融株トリプルの動きは激しいです。
コロナショックの時は、金融株よりも下落し、その後低迷した状態が半年以上続きました。
良くも悪くも、これがレバレッジ3倍の威力ですね。

バックテストの仕様

使用データ

TQQQ年間データをエクセルに組み込み、シミュレーターを作成しました。
使用データは以下の通り。

使用データ

分割と併合(Split)について

レバレッジETFは、取引がしやすいように1口を100$(約1万円)以下になるように価格設定されています。
値段が上がりすぎたものは分割、下がりすぎたものは併合(分割の逆)をすることで価格を調整しています。

金融株トリプルは、過去に3回分割2回併合しています。
価格基準を統一して傾向を図るため、現在の価格に比率を乗じて(除して)修正します。
つまり、当時の価格に補正してバックテストを行いました。
公式のシミュレーターは分割・併合を考慮せずにシュミレートしてしまうので、実体に合った利確幅が検証できません。
最適な利確幅を知るためには、必要な作業ですね。

分割日比率分割・併合
2009年9月7日1:5併合
2010年5月5日 3:1分割
2011年10月11日 1:5併合
2013年2月4日 3:1分割
2015年5月20日4:1分割
Split History より

約定の定義

  • 0.5$刻みの指値を想定
    1. 2.0$,2.5$,3.0$・・・・30$までを調査
  • 1日のごとの安値から高値の間に指値が含まれていたら約定
    1. 例)指値:100$  安値:98$~高値:105$ の場合は 約定1回
    2. 1日に2回以上往復しても約定回数は1回とする。
  • 翌日以降に利確幅以上の値幅があれば約定
    1. 利確幅以上の利益は考慮しています。
  • 約定するため、どこまででもレート追いかけることを想定
    1. 資金は無限としました。
    2. 必要資金は後述しています。

精度について

「自作したシュミレーター」と「トライオートETF(公式)のシュミレーション機能」と比較した結果誤差約1%以内でした。

母集団の8割以上のデータを使用しているため、確率論でいうと許容誤差が1%以下となります。
つまり、統計的に優位性のある信頼できる結果ということです。

その他

  • スプレッド及び金利は無視
  • 当時のドル円レートを乗じて日本円で利益を算出
  • ドル円は当時の終値
  • ロング一択で、ショートは考慮しない。

結果

利益の最大化

11年間分の利確幅ごとの累積利益をグラフにまとめました。

ナスダック100トリプルと同じ結果です。
単純に利確幅が広いほど、累積利益が高くなっていきます。
線形近似の回帰モデルR2は0.95以上のため、利確幅と利益は極めて高い正の相関を持っていると考えられます。利確幅30$以上となっても、累積利益は伸びていくでしょう。
つまり、利確せずにずっと建玉を持ち続けた方が良いということになります・・・。

累積利益をナスダック100トリプルと比較すると、金融株トリプルは半分以下です。
ナスダック100トリプルの強さが分かりますね。

金融株トリプル
ナスダック100トリプル
利確幅($)累積利益(円)利確回数(回)
$2.0¥1,747,9686,439
$2.5¥1,774,7385,512
$3.0¥1,778,8244,781
$3.5¥1,776,4174,201
$4.0¥1,772,7943,742
$4.5¥1,766,4153,364
$5.0¥1,760,4643,052
$5.5¥1,756,8232,793
$6.0¥1,756,3802,579
$6.5¥1,759,6912,401
$7.0¥1,762,5552,246
$7.5¥1,773,1992,122
$8.0¥1,785,3942,014
$8.5¥1,794,7771,915
$9.0¥1,804,2071,827
$9.5¥1,817,1361,751
$10.0¥1,830,1731,682
$10.5¥1,846,5841,622
$11.0¥1,859,1741,564
$11.5¥1,867,8611,508
$12.0¥1,876,1421,456
$12.5¥1,881,4351,406
$13.0¥1,888,4811,361
$13.5¥1,897,6311,320
$14.0¥1,910,2141,284
$14.5¥1,923,4631,251
$15.0¥1,935,1611,219
$15.5¥1,946,7611,189
$16.0¥1,955,3531,159
$16.5¥1,967,8691,133
$17.0¥1,981,1191,109
$17.5¥1,994,7391,087
$18.0¥2,014,0051,069
$18.5¥2,033,0251,052
$19.0¥2,054,4981,037
$19.5¥2,074,4741,022
$20.0¥2,092,2941,007
$20.5¥2,111,333993
$21.0¥2,129,115979
$21.5¥2,148,099966
$22.0¥2,167,904954
$22.5¥2,186,596942
$23.0¥2,204,154930
$23.5¥2,220,376918
$24.0¥2,235,376906
$24.5¥2,246,324893
$25.0¥2,256,162880
$25.5¥2,264,892867
$26.0¥2,272,294854
$26.5¥2,281,472842
$27.0¥2,291,896831
$27.5¥2,301,109820
$28.0¥2,311,484810
$28.5¥2,323,302801
$29.0¥2,331,943791
$29.5¥2,342,850782
$30.0¥2,356,569774

以上を踏まえると・・

結論

利益の最大化を考えるのであれば・・
「トライオートETFでFAS」を売買するよりも、「現物FAS」を購入しガチホした方が良い。

という、トライオートETFをする必要がないという結果となりました。
この結果は、ナスダック100トリプルと同様です。

もちろん
トライオートETFには下記側面があるため、一概には優劣を判断できない考えもあると思います。

  • CFDなら複利で運用できる。
  • CFDならショートができる。

また、公式の方でもリスク・リターンを含めて解説してくれています。

(TQQQと違って、現物FASは購入が容易なのが良いですね。)

ここまでは、
現物FASの方が利確しないからパフォーマンスが良いことが分かりました。
では、
生活費が毎月必要なセミリタイアを基準に考えたらどうでしょうか。


セミリタイア時の最適な利確幅

セミリタイアで必要なのは、コンスタントな利益です。
ナスダック100トリプルと同様に利確回数と利確幅のバランスをみていきます。

利確幅ごとに1ヶ月間で利益0円の回数をグラフにまとめました。

利確幅を11$を超えると利益0円の月が、40回を超えます。
TQQQと比較すると利益0円の月がかなり多いです。
利確幅が長過ぎるため、利確まで時間を要している点と、
過去に金融株トリプルが下落トレンドとなっている影響が大きいです。

1ヶ月ごとの利益0円の回数

下落トレンドは、約1~2年間続いています。
ここまで利益が少ない期間が長いと、FASのみでセミリタイアするのはかなり厳しいです。

補正後のFAS

金融株トリプルは、長期的には上昇していく一方だと考えられます。
では、中期(短期)ではどうでしょうか。
それぞれの最適な利確幅を算出していきます。

利確幅ランキング(バックテスト11年間)

11年間分のバックテストの結果から、
「1ヶ月の利益の中央値」と「1ヶ月の利益回数」から利益の期待値が最大となる利確幅を算出しました。
下落トレンドを含めてバックテストをすると、利確幅が一番狭い2$が最も期待値が高いという結果となりました。
5$以下に1~4位が固まっていることを考えると、利確幅は5$以下にした方が良さそうですね。

利確幅($)1ヶ月の利益の期待値(円)期待値の評価
2.07,1551位
2.56,8942位
3.56,7383位
4.06,559
4.56,6644位
5.06,5937位
5.56,553
6.06,260
6.55,844
7.06,051
7.56,370
8.06,6176位
8.56,6305位
9.06,277
9.55,494
10.05,172
10.54,590
11.04,448
11.54,314
12.04,590
12.54,009
13.03,463
13.52,919
14.02,950
14.52,823
15.02,537

利確幅ランキング(バックテスト6年間)

2015年5月20日の分割以来、金融株トリプルはコロナショックで大暴落はありましたが、概ね右肩上がりです。
過去の下落トレンドは一時的なもので、金融株トリプルが評価され、右肩上がりになっていくことを想定し、最適な利確幅を検証しました。

特に2020年・2021年の金融株トリプルの復元力と上昇力は、凄まじいです。

金融株トリプルのチャート

分割日(2015年5月20日)以降のバックテスト6年間分の結果から、
「1ヶ月の利益の中央値」と「1ヶ月の利益回数」から利益の期待値が最大となる利確幅を算出しました。

その結果、利確幅7$が最も期待値が高いことが分かりました。
1位~7位が7$前後に固まっていることから、5$以上10$未満に設定した方が良さそうですね。

利確幅($)1ヶ月の利益の期待値(円)期待値の評価
2.05,546
2.55,416
3.55,047
4.05,357
4.55,596
5.05,875
5.56,0616位
6.06,0057位
6.56,1304位(同率)
7.06,3641位
7.56,3172位
8.06,2973位
8.56,1304位(同率)
9.05,737
9.55,696
10.05,668
10.55,453
11.04,674
11.54,237
12.03,783
12.53,839
13.03,624
13.53,644
14.03,625
14.53,165
15.03,245

必要資金

どこまででも追いかける(トラップを仕掛ける)設定で、資金が無限の想定だと運用するのにイメージが沸かないと思います。
過去11年間で、どんな時もトラップを仕掛け、ロスカットしない必要な資金を算出してみました。
どの価格帯でも保有する建玉数は1口とします。

過去11年間で最も建玉を保有したのは、コロナショックです。
下落幅は、103.78$→14.25$まで約89$下落しました。
期間は、2020年2月23日~2020年3月23日なので約1ヶ月間です。
最大建玉数量は、179口でした。

コロナショック時の金融株トリプル

ロスカットレートを8$、1日あたりの下落率を20%、ドル円レートを115円とすると
必要資金は、1,137,070円となり、約114万円となりました。
ちなみにTQQQの過去最低値は、8.42$のため、ロスカットレートはぎりぎりクリアできています。

必要資金

セミリタイアできる必要資金

今回は、セミリタイアできる必要資金は算出しません。
金融株トリプルのみでは、数年間の下落トレンドの傾向があり、安定してセミリタイア生活の資金を確保することが難しいからです。
2020年・2021年の上昇力は、素晴らしいことから、他の金融商品と組み合わせて使うことが望ましいと考えられます。

余談・・

余談ですが・・
トライオートETFロスカットレート0$で運用するのであれば、現物のレバレッジETFを購入した方が、パフォーマンスが良いです。
2021年のFASのパフォーマンスは、116.57%。
トライオートETFの運用で、これを上回る方は極少数います。
しかし、どの方もロスカットレート0$で運用されておらず、ロスカットレートを上げて運用しています(BB調べ)。
ロスカットレート0$で運用する方は、一度現物の購入を視野にいれても良いと思います。
キャッシュ・フロー等を鑑みると、トライオートETFが有利なため、あくまで余談です。

2021年レバレッジETFトップリターンランキング

以上、参考となれば幸いです。

トライオートETF

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